メロンとイシグロ

IMG_3167.jpg

夕食の支度をしていると、玄関でピンポーンとなった。
ドアを開けると、
「あっ、いたっ!」
2丁目のKさんだ。

いつも唐突にやってくる。
必ず何か持ってくる。
お芋だったり、お庭の桜の枝を払って作った鮭の燻製だったり。

今日はメロン。
そしてイシグロの本。

1時間ぐらいで読めちゃうから。
すごく色々分かるから。

有無を言わせず置いていく。
そして、色々話したいから、今度昼食べよっ!
と帰っていった。
じゃあ、本読み終わったら連絡するわね。

ホントに1時間足らずで読み終えた。
2ページ目くらいで不思議な感覚に襲われた。
なんだろうこの文体は!
研ぎ澄まされたというか、最近感じたことがない感覚。
翻訳の力もあるだろうけれど、
これが文学なのだと思えてしまった。
これは講演の記録で小説ではないのに…

ヨーロッパの文学に夢中になった頃を思い出した。
あの時は、小説のスケールの大きさに圧倒されたと思っていたが、
そういうことではなかったのかもしれない。
ともあれ、イシグロの作品を読まないことには話にならない。


スポンサーサイト

永井龍男「青梅雨」

青梅雨

朗読セミナー今季のテキストは永井龍男「青梅雨」
1月期に予定されていたのだが、正月早々一家心中もないだろうという、
講師先生の翻意で、本当の梅雨を迎える今期に送られた。

この作家、芥川賞選考委員や文化勲章で名前は知ってても、
私のわがままというか毛嫌いで、これまで読んだ記憶がない。
音訳もそうだけど、こういうセミナーで読む機会がやってくる。

「青梅雨」(あおつゆ)とは俳句の季語だそうで、
ジトジトと憂鬱ばかりの梅雨のイメージではなく、
たっぷり水分をとって青々と茂った葉から落ちる雨。
生命力をも感じさせるそんな梅雨のイメージらしい。

この作品の冒頭は、実際にあった一家心中の新聞記事の引用。
そして、51歳から77歳まで4人家族の最後の夜の様子が描かれる。
生活に困窮した挙げ句の果てということらしいが、
陰惨な感じはなく静かで穏やかな…
これを青梅雨という言葉で表したのかと納得してみたり。
無駄のない研ぎ澄まされた文体も流石と思うけど、
やっぱり私の好みの作家ではないナ。

IMG_2975.jpg IMG_2976.jpg

終わって、高校時代の友達と久々にラ・ベットラでパスタランチ。
前菜と、ドルチェはマチェドニア。
おしゃべり夢中で、パスタの写真はなし




「蜜蜂と遠雷」恩田陸

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]
価格:1944円(税込、送料無料) (2017/5/23時点)




直木賞と本屋大賞のダブル受賞は初めての作品という。
高く平積みされた綺麗なカバーの本。
中を見れば2段組みで500ページ超えはちょっとためらう。
しかし耳に入ってくる感想やら書評やらに負けて買ってしまった。

新刊本は、文庫になるまで買わないと決めたのはいつだったか…
確かにハルキなどは我慢して待ったが、
それも「1Q84」までで、「多崎つくる…」はまだ買ってないし、
今度の「騎士団長殺し」など、本屋で手に取ることもない。
まあ、ハルキには飽きたってことでもあるけれど…

それにしても、2段組みで500ページ超えはきつかった。
若い頃は何でもなかったのに、読むのが遅くなってるのに加え、
細切れ時間で読むので、なかなか捗らない。
重いから持ち出しもできないし、電子版にすればよかったかと思ったり。

IMG_1319.jpg

しかし、実のところこの装幀にも魅かれてしまったのだ。
カバーを取ると、漆黒の表紙が現れ、
本の重量感も加わって、まさにピアノのイメージ。

ピアノの国際コンクールを舞台に、
オーディションから1次予選、2次予選、3次予選、本選と、
丁寧に進んで行く途中は、充長に感じる部分もあったけど、
好きな曲、知らない曲、色々な曲名が次々出てきても、
最近クラシックから遠ざかっていることもあり思い出せなくて、
イライラしたり、検索してみたりしながら、何日くらいかかったやら。

読み終えてみれば、直木賞っぽいな〜という面白さ。
書店員さんたちが、本当にみんなに読んで貰いたいと思う本が賞を取れない、
という不満から創設されたのが本屋大賞と聞いているけれど、
すでに直木賞をもらってるものが選ばれるって…
どうなんだろう…

読者にしてみれば、賞には引っかからないけどみんなのお薦め、
っていうのも欲しいと思うけど…



魔女に元気を貰おう

このところ気温の変動が激しい。
一昨日は7月の気温で、今日は4月とかで、10℃の差がある。
おまけに朝からシトシトと久しぶりの雨で、
空が明るくなったと思っても霧雨だったりと、
結局1日中降って寒い日だった。

アニメ映画というものは、そもそもあまり好きとは言えず、
最近はほとんど見に行っていない。
でも、随分昔に見た「魔女の宅急便」は大好きで、
DVDまで買ったのだけれど、いつでも見られると思うと、
これまたちっとも見ないまま放置。

魔女宅

先日、他の本を探しに本屋に行った時、
にこやかで楽しそうなおばあさんの表紙が目に入った。
この方が「魔女宅」の原作者だというのでつい買ってしまった。

読んでみたら、随分たくさんの童話を書いて賞も色々もらっているし、
好きで書いてるというイラストもなかなか楽しく、
身の回りに置いてらっしゃる物の写真も華やかで愉快。

昨年秋から足が痛かったり、3月には発作も起こしたりで、
どうにも暗くなりがちだったから、こんな本に惹かれる。
年を重ねても、まだまだ楽しむことは沢山ありそうな気になってくる。



荷風散策

しろくま

いきなり4月の陽気だそうです。
家に帰るなり、冷凍庫に何ヶ月も眠っていた白くま掘り出しました。
途中でギブアップして冷凍庫に逆戻りかと思ったのに、
一気に食べてしまったそんな暑い日でした。


荷風散策

今期の朗読セミナーはこの中の「おかめ笹」と「断腸亭日乗」
矢島先生は荷風の作品には色街を素材にしたものが多いので、
ご婦人方に顰蹙買いそうだと、しきりに仰います。
他の作品に換えましょうかとまで仰るけれど、
別に誰もNOとは言いません。

ところが、家で下読みしてみたら、かなり大変です
江藤淳の文章は、パキパキしてて問題ないのですが、
荷風の文章が引用されてる箇所は、言葉遣いが古い上に、
もちろん旧仮名遣いで文体も昔風。
ことに「断腸亭日乗」は何度読み返してもつっかえます。

この作品は、荷風の自邸が3月10日の大空襲で焼け落ちた日のことで、
昔読んだ記憶があるのですが、どんな読み方をしていたのか、
ただ黙読するのと、音読するのとこうも違うものかと…
齋藤孝さんなどが盛んに音読を進める意味が、やっとわかった気がします


プロフィール

chiara

Author:chiara
古稀を大分過ぎたというのに
まだドタバタドタバタ
8人家族のタベモノガカリ
iMac、MacBookAir
iPhone、iPad miniで遊び
時々地元点字図書館の音訳ボランティア
時々地元のまちづくりに顔を出す
建築学科出身のオバーサン
愛車ミニは'91年のキャブ車
今やペット化しつつあり
時々愚痴ります喘息&逆流性食道炎

画像満杯で逃げ出した旧宅は↓
LA STANZA CHIARA

カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
ポチッとよろしく!
リンク
カテゴリ
FC2カウンター
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
RSSリンクの表示
月別アーカイブ
検索フォーム