母の友を訪ねる

92歳になる母の、女学校時代の同級生を訪ねました。

私より半年お姉さんの同じような一人っ子が居ましたから、
子どもの頃はよく遊びに行きました。
それどころか、海や、旅行まで連れてって戴いて、
いっぱい思い出のある小母ちゃんです。

戦後、アメリカ大使館にお勤めで、職場まで訪ねては、
食堂で、まだ巷では見ることの無かった、コカ・コーラを飲ませて貰い、
ハーシーや、色々珍しいチョコレートを買って貰ったのも忘れられない思い出です。

退職後も、何度も外国旅行を楽しんだり、コーラスを続けていらしたようですが、
米寿を過ぎた年の年賀状は、ダンスパーティで踊ってる写真だったのには、
さすがに驚かされました。

母がグループホームに入ってからは、時折電話で、様子を尋ねてくださるのですが、
会って戴くのは遠慮してきました。
余りの変わり様を、同年代の方に見せるのは、余りに残酷な気がするのです。
楽しかった記憶の中に、母の姿をとどめておいて欲しいのです。

その代わりということでもないのですが、

「chiaraちゃん、来てよ!」

と何度もお誘い戴いて、私もお会いしたいからと約束していたのです。

「何時頃になる?小母ちゃん、駅まで迎えに行ってあげる」
「いいいい、分かるから大丈夫」
「そ~お?随分変わっちゃったわよ」
「ダイジョブダイジョブ。住所分かれば地図見て行けるから」


IMG_1609motosumiyoshi.jpg

それでも、駅を降りたら、改札出て左にいって、商店街の○○肉屋さんとこ曲がって・・・
突き当たりの手前だからと、丁寧に説明してくれる92歳です。
私も子どもの頃さんざんお邪魔した、道筋は覚えており、
何の心配もなく着いたのですが、小母ちゃんは家の前に出て待っていてくれました。

戦災で丸焼けになった我が家には残っていない、
母の女学校時代の写真を見ながら、私の知らない母のこと聞かせて貰って、
ホントに行って良かったと思いました。
母にはもう昔のことを、聞きたくても何も聞けない状態ですから、
同じ時代を生きてきた親友から、こうしてしっかりしていてくれるのが、
とても有り難いのです。

帰りもちょっとそこまで送るといいいます。
そして、駅前の果物屋さんで買った小玉スイカを、重いけど、
といいながら渡されました。

「ここの奥さんも、同じ女学校でてるのよ」

といいながら、私のこともチャンと紹介してくれます。

私が訪ねたことを何度も嬉しいと言って、喜んでくれたのですが、
駅のエスカレーターの下で、私が登り切るまで、手を振っていてくれたのですが、
いくら元気だと言っても、92歳という歳が寂しさを感じさせてしまいます。

IMG_1610motosumiyoshi.jpg


グループホームに母を訪ねても、こういう事はない。

「じゃ~、またね」
「あら、まだいたの?」

忘れると言うことは、自分の歳すら忘れさせ、
別れが近いことなど知るよしもないのでしょう。



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プロフィール

chiara

Author:chiara
古稀を大分過ぎたというのに
まだドタバタドタバタ
8人家族のタベモノガカリ
iMac、MacBookAir
iPhone、iPad miniで遊び
時々地元点字図書館の音訳ボランティア
時々地元のまちづくりに顔を出す
建築学科出身のオバーサン
愛車ミニは'91年のキャブ車
今やペット化しつつあり
時々愚痴ります喘息&逆流性食道炎

画像満杯で逃げ出した旧宅は↓
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